法人が役員等に対し保険契約等に関する権利を支給(法人から役員等に保険契約の名義を変更)した場合、一定の低解約返戻
金型保険等についてはその権利の評価方法が見直されます。
法人名義の保険契約等を役員等に変更した場合、それはつまり法人が役員等に保険契約等の権利を譲渡したことになります。
その際の権利の評価方法について、実務上は「解約返戻金の額」を権利の譲渡対価とする扱いになっていました。
そのため現行制度では「解約返戻金の額」と「資産計上額」の差額分だけ法人はその権利の譲渡損失を計上出来ていました。
※役員等がその保険契約等を解約した際は一時所得が発生しますが、一時所得は1/2課税ですので節税効果があるわけです。
今回の改正によって譲渡対価が「資産計上額」となります。
そのため、法人側からみれば今後は名義変更の際の譲渡損失が生じなくなります。
本改正は法人の決算期を問わず、令和3年7月1日以後の名義変更に適用されます。
対象となる保険契約等は令和元年7月8日以後に締結したもので、過年度分の契約にまで見直しの影響が遡及されます。
※解約返戻金の額が法人の資産計上している保険料の70%未満の場合に限ります。
無償による名義変更を行った場合、法人は本来受け取るべき対価の額が役員に対する経済的利益の供与(給与)となり、
定期同額給与等に該当せず損金不算入、かつ、源泉徴収が必要となります。