預貯金等情報のオンライン照会が急拡大

 国税庁では、税務調査及び滞納整理(税務調査等)において、銀行など金融機関への口座保有者の預貯金等情報(口座の有無や入出金記録等)の照会をオンラインで行っています。書面の照会では数週間かかるところ、オンライン照会により数日で預貯金等情報を取得でき、税務調査等の効率化に大きく寄与しているようです。

 オンライン照会が令和3年10月より始まってから数年が経ち、対応する金融機関は37行から400行超と大幅に増加し、その利用件数も28万件から800万件超と急増しています。一部の生命保険会社や証券会社の口座についてもオンライン照会の対応が始まっているようで、開始から4年足らずで税務調査等には欠かせないツールになっているようです。

【参考1】オンライン照会に対応する金融機関の行数の推移

令和3年度末

37行

令和4年度末

61行

令和5年度末

211行

令和6年度末

431行

令和7年度末(目標値)

450行

 令和4年度からは、金融機関のほか、生命保険会社の保険契約の情報に関してもオンライン照会の対応を始めています。令和6年度末には、6社の生命保険会社で対応済みです。また、令和6年度からは、証券会社の証券口座の情報についてもオンライン照会に対応し始めており、令和6年度末には2社の証券会社で対応しているようです。

 生命保険会社や証券会社を含めた金融機関等へのオンライン照会の件数については、オンライン照会が始まった令和3年度の28万件から令和6年度は835万件まで著しい増加がみられます。

 【参考2】金融機関等へのオンライン照会の件数の推移

令和3年度

28万件

令和4年度

263万件

令和5年度

588万件

令和6年度

835万件

 また、金融機関等のほかにも、資金決済事業者(○○ペイなど)、クレジットカード会社などにもオンライン照会への対応協力の依頼を行っていき、オンライン照会に対応する業界、業者を拡充していく方針のようです。