令和7年度税制改正により、A類型(生産性向上設備)及びB類型の既存措置(収益力強化設備)に係る適用要件に見直しが行われました。4月1日以後の申請においては新指標が適用されます。
また、先端設備導入計画に基づいて中小事業者等が取得する先端設備等に係る固定資産税の課税標準の特例措置についても見直しが行われた上で適用期限が2年間延長されましたのでご紹介します。
1.改正後の新指標
A類型についての新指標は以下の3点です。
「単位時間当たり生産量、歩留まり率、投入コスト削減率」
また、B類型の既存措置に係る投資利益率要件については、改正前の5%から改正後は7%に引き上げられました。
A類型及びB類型の既存措置の適用に当たって必要となる「経営力向上計画」についてですが、経営力向上計画の申請が3月31日までに行われる場合は、同計画の認定が4月1日以後であっても、改正前の要件が適用されます。
4月1日以後の申請については新指標での判定が必要となります。
2.経営力向上計画の申請手続き
改正後の経営力向上計画の申請の取扱いについては以下の2つになります。
(1)原則 工業会証明書又は経産局確認書の申請・取得⇒経営力向上計画の申請・認定⇒設備取得
(2)60日ルール 設備取得を先行して行い、60日以内に経営力向上計画の申請を行うことが可能
※工業会証明書等の申請と同時進行で経営力向上計画の申請等を行うことが認められていた「柔軟な取扱い」については終了となります。
3.先端設備等導入に係る固定資産税の特例
先端設備導入計画の認定を受けた中小企業者のうち、以下の一定の要件を満たした場合、地方税法において固定資産税の特例を受けることができます。
(1)対象者:資本金1億円以下の法人、従業員数1,000人以下の個人事業主等(大企業の子会社等を除く)
(2)対象設備:雇用者給与等支給額を1.5%以上、又は3%以上増加させる賃上げ方針を従業員に表明(賃上げ表明)したことを位置づけた先端設備等導入計画に従い取得する設備であり、かつ認定経営革新等支援機関の確認を受けた投資利益率5%以上の投資計画に記載された以下の設備
1:機械装置(160万円以上)
2:測定工具及び検査工具(30万円以上)
3:器具備品(30万円以上)
4:建物附属設備(60万円以上)
(3)特例措置
1.5%以上の賃上げ表明されたもの :3年間、課税標準を1/2に軽減
3.0%以上の賃上げ表明されたもの :5年間、課税標準を1/4に軽減
重要なことは、賃上げ方針を策定して従業員へ表明した旨を認定申請書に記載し、さらに賃上げ方針を表明したことを証する書面を添付しなければ軽減措置を受けることができないということです。