1. 概要
令和6年9月13日に企業会計基準委員会が「リース取引に関する会計基準」(以下、『新リース会計基準』)を公表しました。
新リース会計基準では、原則、オペレーティング・リースを含むすべてのリースについて資産及び負債に計上(オンバランス)することとされました。(短期リース・少額リースは除かれます。)
そこで今回は影響のある借手側の会計・税務処理について簡単にご紹介します。
2.適用時期
令和9年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用されます。
但し、令和7年4月1日以後開始する事業年度の期首から適用することも可能です。
3.対象者
会計基準を適用する必要がある上場企業等です。
なお、中小企業等には非適用のため、中小企業等は従来通りの会計処理を継続することが可能です。
4.会計への影響
新リース会計基準では、借手側の会計処理は従来の基準のオペレーティング・リース取引についても、「使用権資産」及び「リース負債」を計上します。
「使用権資産」は減価償却費により費用配分を行い、「リース負債」はその負債に係る利息相当額を原則として利息法により費用配分します。
【会計処理例】
◎開始時
使用権資産 28,000 / リース負債 28,000
◎支払時
リース負債 5,000 / 現金預金 6,000
支払利息 1,000
減価償却費 5,600 / 減価償却累計額 5,600
5. 法人税への影響
令和7年税制改正にて、会計処理にかかわらず、オペレーティング・リース取引(資産の賃貸借のうちリース取引(ファイナンス・リース取引)以外のもの)に係る契約に基づきその法人が支払う金額(賃借料)があるときは、賃借料として「債務の確定した部分の金額」を、その確定日の属する事業年度に損金算入することとされました。
【税務処理例】
支払賃借料 6,000 / 現金預金 6,000
新リース会計基準で費用計上する使用権資産に係る減価償却費とリース負債に係る利息相当額をそのまま損金算入することは認められないため、改正後は申告調整が必要になります。
【申告調整例】
会計上の費用:減価償却費+支払利息 6,600
税務上の損金:支払賃借料 6,000
申告調整(加算・留保) 600