令和6年6月以降から定額減税事務が実施されます。令和6年4月号では定額減税の概要をご紹介しました。今回は定額減税の月次減税事務の対象者ついてご紹介します。
1.月次減税事務の控除対象者
(1)基準日在職者の確認
令和6年6月1日現在、給与の支払者のもとで勤務している人のうち、給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の甲欄が適用される居住者の人(その給与の支払者に扶養控除等申告書(以下「マル扶」)を提出している人)を基準日在職者といいます。
この基準日在職者が、月次減税事務においての控除対象者です。その後、他の給与の支払者にマル扶を提出した場合には、その人は控除対象者から外れることになります。
なお、休職者でも令和6年6月1日現在にて在籍している場合には月次減税事務の対象です。復職してから控除をすることになります。
(2)基準日在職者に該当しない人
①令和6年6月1日以後支払う給与等の源泉徴収において源泉徴収税額表の乙欄や丙欄が適用される人
②令和6年6月2日以後に給与の支払者のもとで勤務することになった人
③令和6年5月31日以前に給与の支払者のもとを退職した人
④令和6年5月31日以前に出国して非居住者となった人
2.月次減税額について
(1)月次減税額の確定
最初の月次減税事務を行うまでに提出されたマル扶に基づき、減税額の対象となる人数を確認して、月次減税額を計算します。
①対象者人数=本人+居住者である同一生計配偶者+居住者である扶養親族(16歳未満を含む)
②月次減税額=30,000円×対象者人数
(2)月次減税額の計算上の注意点
①非居住者の方は対象者人数に含めません。
②マル扶に記載していない同一生計配偶者や16歳未満の扶養親族については給与の支払者に最初の月次減税事務を行うときまでに「源泉徴収に係る定額減税のための申告書」を提出することで対象者人数に含めることができます。
③最初の月次減税事務までに提出されたもので作成するため、その後に扶養親族等の人数に異動があった場合でも月次減税額は再計算しません。異動等があった場合には年末調整または確定申告にて調整することになります。
基準日在職者と月次減税額が確定しましたら、6月以後の給与・賞与から順次控除をしていきましょう。
月次減税事務の管理には国税庁HPに掲載されている『各人別控除事績簿』を利用すると良いと思います。