1.NISAとは?
NISAとは、株式や投資信託の配当金や分配金、値上がりで得られた売却益が非課税となる制度です。
投資で得られた利益は通常20.315%の所得税・住民税がかかるため、たとえば投資で20万円の利益が出た場合、
約4万円が税金として引かれて手取りは16万円となりますが、NISA口座では20万円をまるまる受け取る事が出来ます。
2.新NISAとは
NISAについては、2024年1月以降、制度が大きく拡充されます。主な変更点は下図のとおりです。
| 現行のNISA | 新NISA | ||
| つみたて | 一般 | つみたて投資枠 | 成長投資枠 |
年間投資枠 | 40万円 | 120万円 | 120万円 ※①② | 240万円 ※①② |
非課税 保有限度額 | 最大800万円 | 最大600万円 | 1,800万円 ※② (うち成長投資枠は1,200万円) | |
投資対象 商品 | 積立・分散投資に 適した一定の投資信託 | 上場株式・投資信託等 | 積立・分散投資に 適した一定の投資信託 | 上場株式・投資信託等 |
買付方法 | 積立投資のみ | 通常の買付・積立投資 | 積立投資のみ | 通常の買付・積立投資 |
非課税 保有期間 | 20年 | 5年 | 無制限 ※③ | |
口座開設 期間 | 2042年まで | 2023年まで | いつでも可能 |
【変更点】
※① つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能になります。
※② 投資額が拡充されます。年間投資枠は最大360万円、非課税保有限度額は1,800万円です。
※③ 非課税保有期間が無制限になります。
現行のNISAでは、つみたてNISAと一般NISAのどちらか一方しか使えませんでしたが、新NISAでは併用が可能となります。
最大で年間360万円まで積立てが可能ですので、非課税保有限度額である1,800万円には最短5年で達することが出来ます。
もちろん、月5万円、年間60万円の投資で30年かけて非課税保有限度額を使っても構いません。
なお、現行NISAで投資されている方は、自動的に新NISAの口座も開設される事になっています。
3.現行のNISAで積立てた分はどうなるの?
現在もNISAで投資されている方は、今まで積立てた分がどうなるのか不安に感じられるかもしれませんがご安心下さい。
2024年以降は現行のNISAでの新規投資はできなくなりますが、現在保有している資産は新NISAの非課税保有限度額
(生涯投資枠)とは別枠で運用を継続できます。
4.iDeCo(イデコ)とはどちらが良いの?
NISAと似たような制度にiDeCo(イデコ)があります。iDeCoは購入代金が所得税の所得控除の対象となる点で税制面の
メリットがありますが、受取代金に対して所得税がかかるケースがある事や、原則として60歳まで引き出すことが出来
ないなどのデメリットもあります。違いを理解した上で目的に応じて使い分ける必要があります。
この様に、2024年からは本格的な個人投資の時代が訪れます。今まで証券口座開設をされていなかった方は、これを機に
2023年中に口座を開設してみては如何でしょうか?