毎年10月は最低賃金の見直し時期になります。令和4年度各都道府県の最低賃金が発表されましたので、関東地方の最低賃金を抜粋してご紹介します。
| 令和4年度最低賃金 | 令和3年度最低賃金 | 増加額 | ※参考(令和2年) |
東京都 | 1,072円 | 1,041円 | +31円 | 1,013円 |
神奈川県 | 1,071円 | 1,040円 | +31円 | 1,012円 |
千葉県 | 984円 | 953円 | +31円 | 925円 |
埼玉県 | 987円 | 956円 | +31円 | 928円 |
茨城県 | 911円 | 879円 | +32円 | 851円 |
栃木県 | 913円 | 882円 | +31円 | 853円 |
群馬県 | 895円 | 865円 | +30円 | 835円 |
ご覧いただいた通り、軒並み30円以上の上昇となっております。
昨年が28円前後の上昇でしたので、昨年以上の伸び幅となっています。
最低賃金の引き上げに伴い、給与額の見直しなどをされている事業主様も多いことと存じます。
その際に注意すべき点について2点ご紹介します。
以下の金額については、最低賃金に算入されません。
ということになります。
以下の具体例を基にご説明します。
<例>
東京都内の会社で働くAさん(月給制)の9月分給与内訳は以下の通りでした。
・基本給 150,000円
・役職手当 20,000円
・通勤手当 5,000円
・時間外手当 25,000円
計 200,000円
※Aさんの会社は年間所定労働日数が240日、1日の所定労働時間が8時間です。
<具体的な計算>
まず、Aさんに支給された賃金から最低賃金の対象とならない賃金を除きます。
今回のケースの場合、通勤手当及び時間外手当が除外されます。(役職手当は除外されません)
すると、200,000円-(5,000円+25,000円)=170,000円となります。
この金額を時間額に換算すると、次のようになります。
(170,000円×12ヶ月)÷(240日×8時間)=1,062.5円 < 1,072円
上記の通り、算出された時間あたりの給与は1,041円以上ですが1,072円未満ですので、令和4年10月以降も9月と同様の給与
体系だった場合、Aさんの給与は最低賃金未満となってしまうため、見直しが必要となります。
このように、よくよく調べてみると見直しが必要なケースが潜んでいるかもしれません。
10月を迎える前に、今一度社内の給与体系について見直しをされてはいかがでしょうか。
上記でご紹介した具体例以外にも、「日給制と月給制の組み合わせの場合」や「歩合給制の場合」の換算方法について紹介さ
れていますので、是非ご参照下さい。