令和4年5月23日から個人が書面で提出した直近2年分の確定申告書等の内容についてe-Tax上で閲覧・取得できるようになる『申告書等情報取得サービス』が開始されました。但し、サービス利用にはマイナンバーカードが必要となります。(マイナポイント取得第2弾に関する記事はR4年2月号を参照して下さい。)
1.既存サービスの場合には書面手続が必要
国税庁は、税務行政のDX推進策の一つとして、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」という将来構想を掲げています。『申告書等情報取得サービス』はその一環で、e-Tax上で所得税に関する申告書等のデータの閲覧や取得を行うことができます。
既存の「申告書等閲覧サービス」では、納税者等が過去に提出した申告書等の内容を確認する必要がある場合に閲覧することができるサービスです。
PCにより申告した場合は、現在もe-Tax上から過去の申告内容を無料で閲覧をすることができますが、PC以外のスマホ・タブレット、書面による申告をした場合には「申告書等閲覧サービス」を利用するしかない状況でした。写しを取得したい場合には、別途、有料の開示請求手続が必要で、約2~3週間を要していました。なお、同サービスと有料の開示請求はいずれも書面による手続が必要でした。
2.申請後数日でデータ取得が可能に!
新たな『申告書等情報取得サービス』の利用申請に当たっては、利用者はe-Taxにログインし、申請画面上からマイナンバーカードによる電子署名を行う必要があります。申請後数日以内に通知があり、過去に提出した直近2年分の「確定申告書」、「収支内訳書」、「青色申告決算書」の閲覧及びイメージデータ(PDF)の取得が無料で利用できます。来年以降は、対象書類の範囲が直近3年分まで広がる予定です。
なお、申告書等データのダウンロード可能期間は180日以内となっており、期間が過ぎた場合には再度申請が必要になります。また、代理人や相続人による代理申請は出来ないため、申請に当たっては、本人によるマイナンバーカードでの申請手続きが必要です。
確定申告書を紛失等で無くした場合には、利用してみてはいかがでしょうか。まずは、マイナンバーカードの取得が第一歩です。