☆☆令和3年4月1日以降の押印原則廃止について☆☆

申告書等の税務関係書類についてはこれまで提出者等の押印をしなければなりませんでしたが、令和3年度税制改正により、

和3年4月1日以降は一部の書類を除いて、押印を要しないこととされました。

押印不要となった書類・引き続き押印が必要な書類について改めてご紹介したいと思います。

 

 1.税務関係書類のうち、今後も引き続き押印が必要な書類

 (1)担保提供関係書類及び物納手続関係書類のうち、実印の押印及び印鑑証明書の添付を求めている書類

  ※納税の猶予申請等を行う場合において土地等を担保提供する場合又は第三者が納税保証を行う場合、または相続税の納

   税に際して土地等を物納に充てるための申請を行う場合がこれに該当します。

 (2)相続税及び贈与税の特例における添付書類のうち財産の分割の協議に関する書類

  ※これは当然と言いますか、ただでさえ揉めるケースの多い相続関係の書類を押印廃止にすることは、火に油を注ぐだけ

   ですよね。どんなに制度が浸透しても、これだけは押印廃止にはならないと私は思います。

 

 2.代理の方が納税証明書の交付請求等をされる際に提出をお願いしている本人(委任者)からの委任状等についても、押

  印は不要となります。

  事業者様が事務所担当者に委任状を発行して交付依頼を行うケースも少なくないと思いますが、押印が不要になったこと

  で今後はさらにそうした動きが広がるのではないでしょうか。

  それをサービスの一環に組み込む事務所が増えるなどの動きが出てきても不思議ではありません。

  ただし、実印の押印及び印鑑登録証明書等の添付などにより委任の事実を確認している特定個人情報の開示請求や閲覧申

  請手続については、従来通り委任状への押印等が必要となりますので、その点は注意が必要です。

 

 3.振替依頼書やダイレクト納付利用届出書については、引き続き金融機関届出印(銀行員)の押印が必要となります。

  (e-Taxを利用して提出される場合には押印が不要となります。)

 

 各種税務関係書類について、すでにHP上では押印欄の無い様式に更新されておりますが、旧様式を引き続き使用することも

 可能です。その際には上記の場合を除き押印欄への押印は不要となります。

 

 お読みいただいて分かる通り、申告書をはじめほとんどの税務関係書類が押印不要になります。

 ここからは蛇足になりますが、税務関係書類の大部分が押印廃止になるということは、これまで押印という行為が担保して

 くれていた「法人様と会計事務所の双方がコンセンサスを得ている」ことを何か他の手段によって形にする必要があるので

 はないかと私は思います。

 「押印という手間が減った」だけでは済まないと思っていますが、今後の業界の動きに注視したいと思います。