新型コロナの流行により、在宅勤務や時差出勤等、今まで想定していなかった勤務体系を採り入れる必要が出てきました。
これに伴い、就業規則の見直しが必要となってきた会社も多くなっています。そこで、今回は就業規則について、基本的な
事項を再確認したいと思います。
1.就業規則とは?
就業規則とは、労働者が守るべき職場内の規律やルールをまとめた規則です。就業規則で定められたルールが労働基準法の
基準を下回る場合は、労働基準法の基準が適用されます。
2.就業規則の作成及び届出義務
正社員・パートを含めて常時10人以上の従業員を雇用する事業場では、就業規則を作成し、会社を管轄している労働基準
監督署に届出をする必要があります。従業員数は、企業全体の人数ではなく、営業所ごとの人数です。本店に8名、営業所
に7名であれば就業規則の届出義務はありません。
3.就業規則の記載内容
就業規則への記載事項は以下の3つに分かれます。
(1)絶対的必要記載事項
絶対的必要記載事項とは、就業規則に必ず記載する必要がある事項です。
①始業及び就業の時刻
②休憩時間、休日、休暇、就業時転換に関する事項
③賃金
④昇給
⑤退職(解雇、定年など)
(2)相対的必要記載事項
相対的必要記載事項とは、定めをする場合には必ず記載しなければならない事項です。実際には多くの就業規則に
記載されています。
①退職手当
②賞与
③食費・作業用品などの負担
④安全及び衛生
⑤職業訓練
⑥災害補償・業務外傷病扶助
⑦表彰・制裁
⑧その他事業場の労働者すべてに適用される事項
(3)任意的記載事項
任意的記載事項とは、会社が任意に記載できるもので、社是、社訓、就業規則の目的、 労働者の心得などがあります。
4.就業規則の作成・届出の手順
(1)就業規則の作成・変更
従業員の過半数で決められた代表者から意見を聴き、意見書を作成します。同意を得る必要はなく、反対意見でも
構いません。
(2) 就業規則の届出
就業規則を労働者代表の意見書と併せて、労働基準監督署に届出をします。
(3) 周知
会社は、就業規則を全従業員に周知する義務があります。事業所の見やすい場所への備え付け、書面の交付、パソコン
で閲覧できる様にする等の方法があります。
従業員に周知されていない場合、就業規則を作成していてもその効力は発生しませんので注意が必要です。