2020年4月1日から順次経審の改正があります。改正される項目は次の3点です。
第2回目となる今回は、その他の審査項目(社会性等)(W)の中の新たな評価項目
“知識及び技術又は技能の向上に関する取組の状況(W10)”
の新設についてご紹介します。
1.改正の内容・時期
建設キャリアアップシステム(以下CCUS)が始まったことにより、技能者のレベルに応じて技術力(Z)
の加点対象になることはすでにご紹介済みですが、CCUSのさらなる普及と技術者・技能者の継続的な教育
意欲を促進させていく観点から、建設業者による技術者及び技能者の技術又は技能の向上の取組みの状況を新
たに評価する仕組みが設けられることになりました。
W10は以下の算式により計算されます。
<W10= 技術者 ÷ (技術者+技能者) × 技術者点 + 技術者 ÷ (技術者+技能者) × 技能者点>
(小数点未満は切り上げ)
次にこの算式を具体的に紐解いていきたいと思います。
※技術者点(10点満点)
学会・業団体等において認定されているCPDプログラムにおいて、当該建設業者に属する技術者1人当たりが
1年間に取得したCPDの取得単位に応じて決定されます。
{具体的な技術者点算出の流れ}
①以下の算式に基づいて、CPD単位数を計算します。
基準日前1年間における当該建設業者に所属する建設技術者が取得したCPD単位の総数
÷ 基準日において所属している建設技術者の数
②上記で算出した単位数を、評点一覧表に当てはめて評点を求めます。
※具体的な評点一覧はまだ発表されておりません。
※技能者点(10点満点)
審査基準日において、基準日前3年間における能力評価基準でレベル2以上にアップした建設技能者の割合を
計算し、評点を求めます。
ただし、基準日において既にレベル4と判定されている建設技能者については、能力評価基準の最高位となっ
ているため対象とはせず、建設技能者の数から除いて計算します。
{具体的な技能者点算出の流れ}
①以下の算式に基づいて、レベル2以上にアップした建設技能者の雇用状況割合(%)を計算します。
基準日前3年間における能力評価基準でレベル2以上にレベルアップした建設技能者の数
÷ 基準日における建設技能者の数(基準日より3年前時点において既にレベル4であった者を除く)
②上記で算出した割合を、評点一覧表に当てはめて評点を求めます。
※具体的な評点一覧はまだ発表されておりません。
本件改正は、令和3年4月となっております。
仮にW10に20点の評点が付いたとすると、理論上はWの算定上20×10×190÷200=190点が加算されます。
総合評定値(P)に占めるWの割合は15%ですから、190×15%=28.5点が最大で加点される計算です。
現実にこれだけ加点される企業はほぼないと思いますが、それでも大きな加点になることには変わりあり
ません。これを機にCCUS並びにCPD制度を活用されてみてはいかがでしょうか?