政府/外国人材受け入れ見込み試算/建設業は初年度5000~6000人

日刊建設工業新聞  [2018年11月15日1面]

政府は14日の衆院法務委員会理事懇談会で、外国人労働者の受け入れを拡大する「出入国管理及び難民認定法(入管法)改正案」を巡り、受け入れ見込み人数を提示した。対象14業種の合計で制度導入の初年度に最大約4万7000人、5年目までの累計で最大約34万5000人と試算。建設業は初年度に5000~6000人、5年間で3万~4万人との見通しが示された。
 改正案では、新たな在留資格として「特定技能1号」と「同2号」の2種類を創設する。今回示された14業種は1号を想定。2号の対象業種も近く明らかになるとみられる。
 人材不足の見込み数については、14業種合わせて現時点で58万6400人、5年後に145万5000人と推計。受け入れ見込み数は、初年度に3万2800~4万7550人、5年間で26万2700~34万5150人と想定した。
 建設業は現時点で2万人、5年後に21万人の不足を見通す。受け入れ見込み数は初年度に5000~6000人、5年間で3万~4万人と試算している。安倍晋三首相は「この数字を超える受け入れはしない。上限として運用する」との方針を示している。
 受け入れ人数の最終値は、分野の特性を考慮した「分野別運用方針」で確定する。建設業はとびや型枠、鉄筋、左官といった複数の分野(職種)をまとめた運用方針になる見込み。
 近年、建設分野に携わる外国人の数は増加傾向にある。国土交通省や厚生労働省の調査によると、17年度は約5万5000人となり、11年度と比べて4倍以上に増加している。このうち技能実習生の数は、17年10月時点で3万6589人(11年10月6791人)と大きく伸びている。国交省が20年度までの時限措置として15年4月に開始した外国人建設就労者受け入れ事業は、受け入れ人数が18年9月末時点で4000人を超えた。18年度末までに累計6300人程度が就労している見通しだ。