~第5回 社宅の家賃~

第5回目は、社宅の家賃について取扱いを見ていきたいと思います。
社宅家賃については、「適正な家賃」を把握する事が大切です。この「適正な家賃」は社宅の使用者が役員であるか従業員であるかで異なります。また、役員の場合は、社宅の床面積によって計算方法が3パターンに分かれます。

○使用者による分類
1.従業員
      【適正家賃(1ヶ月あたり)】=①+②+③
           ①家屋の固定資産税課税標準額×0.2%
           ②家屋の床面積(坪数)×12円
           ③敷地の固定資産税課税標準額×0.22%
2.役 員
  1)小規模社宅(法定耐用年数が30年以下(主に木造住宅)の場合 床面積が132㎡以下、 法定耐用年数が30年超の場合、床面積が99㎡以下)
      【適正家賃】従業員の算式と同じ
  2)小規模社宅以外の社宅
        上記1)及び下記3)に当てはまらない社宅
      【適正家賃】
              イ)社宅が自社所有の場合=(①+②)÷12
                      ①家屋の固定資産税課税標準額×12%(※法定耐用年数30年超の場合10%)
                      ②敷地の固定資産税課税標準額×6%
              ロ) 他から借り受けた住宅等を貸与する場合
                    上記イ)で算出した賃貸料相当額と家主に支払う家賃の50%の金額のいずれか多い額
  3)豪華社宅
        床面積が240㎡を超え、価格、内装等を総合的に勘案して、一般に社宅としてふさわしくないと認められたもの。
      【適正家賃】明確な金額の算式は無く、その住宅の利用につき通常支払うべき使用料の額とされています。

○課税される金額
1.従業員
       上記で算出した【適正家賃】と受取家賃の差額が給与課税されます。
       但し、【適正家賃】の50%以上を受け取っている場合は、課税されません。
2.役   員
      上記で算出した【適正家賃】と受取家賃の差額が給与課税されます。
      従業員の様に、50%以上を受け取った場合の特例はありません。

○注意点
1. 現金で支給される住宅手当や入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないので、給与として課税されます。
2. 看護師や守衛など、仕事を行う上で勤務場所を離れて住むことが困難な使用人に対して、仕事に従事させる都合上社宅や寮を貸与する場合には、
    無償で貸与しても給与として課税されない場合があります。