平成30年3月号では仮想通貨の仕組みについてご紹介しました。仮想通貨をめぐっては、不正に流出して約580億円の被害が出たことも話題になりました。
被害を出した仮想通貨取引所では、保有していた顧客に対して被害相当の補償を行うことになりましたが、この補償金の取扱いについてご説明させていただきます。
○補償金は雑所得として課税の対象となる!
原則として、補償金や賠償金は所得税法上、非課税となりますが、今回の仮想通貨に係る補償金については、所得の区分上『雑所得』に該当し、課税の対象となります。
理由としては、不正流出の損失相当の金銭の支払いを受けるのは、仮想通貨を売却して金銭の支払いを受けることと実質的に変わらないと考えられるためです。したがって、所得計算上、以下のような取扱いになります。
- 補償金が仮想通貨の取得価額を上回る場合(=得をした場合)
差額の利益部分が雑所得となり、20万円以下である場合には、
原則として(注)給与所得者は確定申告をする必要はありません。
(注)給与収入が2,000万円を超える場合又は二箇所以上から給与をもらっている場合を除きます
- 補償金が仮想通貨の取得価額を下回る場合(=損をした場合)
差額の損失部分については、他に雑所得があれば内部で通算できますが、
他の所得と損益通算をすることはできません。
考え方としては、補償金を受け取った時点で利益が確定して含み益に対して課税される、ということになりますが、今回のケースでは、顧客の意思に関わらずに課税されてしまうともいえるので、注意が必要です。