全6回の交際費シリーズも今回で最終回となりました。最終回となる今回は、接待時のタクシー代と情報提供料が交際費に当てはまるのか否かについてご説明させていただきます。
1. 接待時のタクシー代の取扱い
接待の会場へ向かうため・帰宅するためのタクシー代については、それが自社主催の接待(接待をする側)か他社主催の接待(接待を受ける側)かどうかで取扱いが変わってきます。
○接待を受ける側のタクシー代:全額旅費交通費となります。
○接待をする側のタクシー代:以下のものが交際費となります。
・お客様を自宅まで送り届けるタクシー代
・自社の社員が自宅まで帰るためのタクシー代
・接待の会場へ向かうためのタクシー代
【ポイント】接待に付随する費用はすべて交際費に該当する!
付随する費用の考え方としては、接待がなければ支出がなかった費用=交際費となります。そのため、自社の社員のタクシー代であっても交際費となる点がポイントです。ちなみに、一人あたり5,000円以下の飲食費については交際費から除くことができますが、これはあくまで飲食のみに係るものであり、タクシー代は判定の金額に含めない点についても注意が必要です。
2.情報提供料の取扱い
情報の提供を受けた場合や取引先の紹介を受けた場合で、それについて対価を支払った際の紹介料
について、全額費用として処理するためには、(1)又は(2)の要件を満たしている必要があります。
(1)支払の相手が情報提供を本業とする業者である
情報を提供するのが本業である、例えば人材紹介会社や不動産仲介会社等への支払については、
全額費用として処理できる紹介料となります。
(2)支払った紹介料が以下の全ての要件を満たしている
○あらかじめ締結された契約に基づいた支出であること
→情報提供につきあらかじめ契約を結んでいることが必要です。
○あらかじめ締結された契約通りの情報の提供を受けていること
→情報提供の内容が契約上明示されており、かつ契約通りに情報提供を受けることが必要です。
○支払った金額が提供された情報の内容に対して相当な金額であること
→提供を受けた情報内容に対して支出が不相当に高額である場合は認められません。
【ポイント】支払った紹介料が情報提供の見返りとして正当な対価か否かが判断の基準!
ここでいう正当な対価とは、契約として金額として見合っているかということです。例えば、取引先の従業員に対して支出した情報紹介料などは、企業間の取引ではなく個人的な謝礼であると判断でき、正当な対価とはいえないため、交際費に該当することになります。