~第3回 交際費と福利厚生費~(2018年3月号)

第3回目となる今回は、交際費と福利厚生費の違いについてご説明します。

法人税法では、福利厚生費は、専ら従業員の為に行われる運動会、演芸会、旅行などの為に通常要する費用

としており、これらは交際費から除かれるとあります。今回は、この福利厚生費の代表例である『社員旅行』

と『忘年会等』について具体的に見ていきましょう。

1.社員旅行について

 社員旅行は、以下の要件を満たす場合には、福利厚生費として認められます。

 1)旅行期間が4泊5日以内であること(海外旅行は、外国滞在日数が4泊5日以内)

 2)旅行に参加した人数が全体の人数の50%以上であること  

   ※工場や支店ごとに行う旅行は、それぞれの職場ごとに50%以上の参加が必要です。

 3)金額が社会通念上一般的に行われていると認められている範囲内であること

   →こちらは、具体的に金額が定められているわけではありませんが、過去の判例から

    ひとり10万円が目安とされています。

   但し、以下の旅行は福利厚生費として認められず、給与課税となる点に注意が必要です。

 1)役員だけで行う旅行

 2)自己都合で参加しなかった人に金銭を支給する場合

2.忘年会等について

 忘年会等については、過度に豪華なもので無ければ、問題となる事はあまりありません。

 しかし、以下の2点には気を付ける必要があります。

 1)従業員だけでなく、得意先の人間が1人でも参加していたらダメ!

    →この場合、社員を含めた全員分の支払額が交際費になります。(但し、中小企業の場合、

   1人あたりの飲食代が5,000円以下の場合は、会議費処理が可能です。)

 2)役員や特定の社員だけが参加した忘年会や、忘年会の2次会はダメ!

   →この場合は、福利厚生費では無く、社内交際費として扱われます。