現場の週休2日ー労組も活動強化ー

日刊建設工業新聞 [2017年10月2日1面]

現場の週休2日ー労組も活動強化/土曜閉所への理解促進、施主・企業の協力カギ

 建設現場の土曜閉所をはじめとする週休2日を実現しようと、労働組合の活動が拡大してきた。6団体で構成する建設産業労働組合懇話会(建設産労懇、会長・久保田俊平日本建設産業職員労働組合協議会〈日建協〉議長)は、11月11日に行う「統一土曜閉所運動」への理解を求める活動を強化。土曜を当たり前に休む環境を整えようと構成団体が対応を進める。

 建設産労懇は、6、11月の第2土曜を運動日にした統一土曜閉所運動を展開している。構成団体のうちゼネコンの労働組合が主体の日建協は6月の運動の全体閉所率が過去最高の76・1%に達した。久保田議長は時間外労働の罰則付き上限規制の導入に備え、「『休まなければならない』という企業が増えている」と受け止める。日建協は行政、経営者団体、発注者団体などに閉所運動への理解を得る活動を推進。加盟組合も経営者に協力要請を行う。
道路建設産業労働組合協議会(道建労協)は6月の運動の組合別閉所率の平均が31・3%にとどまった。土日指定の工事が依然多いが、赤田淳議長は「週休2日を聞き入れてくれる顧客が増えている」と語る。業界団体の日本道路建設業協会も第2土曜閉所を目指しており、道建労協は閉所率50%以上を目指す。
6月の閉所率が60・4%だった日本基幹産業労働組合連合会建設部会は、施主の理解と週休2日に伴う職人の賃金確保を課題と捉え、「全体の意識を変える」(曽根崎義治中央執行委員)運動を展開する。
全電工労連は、工事・施工部門の組合員の6月閉所率が74・5%だった。葛西満昭議長は「運動に長く取り組み、企業にも理解がある」と手応えを示す。「工期設定が柔軟になってきた」と鉄道関連の発注者の理解も進みつつあると見て、日本電設工業協会などへの協力要請を続ける。
情報通信設備建設労働組合連合会(通建連合)は、工事を行わない土曜を定める施主の存在もあり、一部実施を含む6月の閉所率が98%を超えた。運動日を「一斉安全休工日」として閉所率をさらに高める。
長谷工グループ労働組合は、労使協議で次年度の閉所日を決め、3連休以上となる閉所日の設定に努めている。土曜閉所日数を組み込んだ標準工期の設定など労使一体の取り組みを展開。6月の閉所率は99%を超えた。梅田泰三委員長は、収入減を嫌う職人が現場を離れ、工程に影響が出ることを懸念し、週休2日が産業全体に広く浸透することに期待を寄せる。
久保田会長は統一土曜閉所運動が「(建設産労懇の組合員)10万人にとどまらない活動になった」として、環境整備にさらに力を入れる方針だ。