1月号より始まった全6回の交際費シリーズですが、第2回目となる今回は交際費と広告宣伝費の違いについて
取り扱います。イメージだけだと区分が曖昧になりがちですが、交際費の定義に照らしてその違いについて
ご説明させていただきます。
<交際費の定義に照らした広告宣伝費との違い>
交際費とは、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者等に対する接待、供応、慰安、贈答(注)
その他これらに類する行為のために支出する費用をいいます。
なお、交際費は上記の通りその行為の相手が事業に関係のある者(取引先)であることが要件であり、
広く一般の消費者に対する支出は、交際費ではなく広告宣伝費に該当することになります。
例えば、以下の行為などは広告宣伝費に該当します。
(1)消費者に抽選で景品を渡すための費用や消費者を旅行やコンサートなどの
イベントに招待するための費用
(例:抽選で○○名様に当たる、など)
(2)商品を購入した消費者をイベントに招待することをあらかじめ広告宣伝した上で、
その商品を購入した消費者を 招待するための費用
(例:いま○○円以上ご購入の方を□□旅行にご招待、など)
(3)商品を購入した消費者に対し景品を配布するための費用
(例:○○ご購入の方にいまならもれなく□□プレゼント、など)
(4)工場見学者などに製品の試飲・試食をさせるための費用
(5)得意先などに対して見本品や試用品を提供するために通常要する費用
→相手が得意先であっても、試用品の提供は広告宣伝費になるのがポイントです。
(注) 贈答のうち、カレンダー、手帳、ポケットティッシュ、うちわなどを贈与するために通常要する
費用については、交際費ではなく広告宣伝費に該当することになります。
→この時期ですと年賀タオルをお渡ししている方もいらっしゃるかと思いますが、こちらも
広告宣伝費に該当します。