~法人保険について~(2018年1月号)

 あけましておめでとうございます。本年も建設業事業部のチームだよりをどうぞ宜しくお願い致します。

 平成30年初めとなるトピックスは法人が加入する保険の主な種類のご紹介と、最近増加傾向にある全額損金タイプの法人保険についてご説明致します。

 

1.法人保険の主な種類

(1)養老保険

 養老保険とは、被保険者が死亡したとき又は保険期間が満了したときに死亡保険金又は満期保険金が支払われる生命保険をいいます。つまり、どちらの場合においても必ず保険金が支払われる保険商品です。

<養老保険のポイント>

   ①死亡保険金と満期保険金は同額です。受取保険金は満期までの支払保険料の総額よりも

    若干高く設定されています。

   ②中途解約すれば解約返戻金が受け取れることができ、早い時期に返戻率が90%程度に達し、

    満期に向かって増え続けます。

   ③上記①②の性質のため、法人にとって貯蓄の機能があるといえます。

 

(2)定期保険

 定期保険とは、一定の期間内に被保険者が死亡した場合のみに保険金が支払われる生命保険をいいます。こちらは、掛け捨てが原則です。

<定期保険のポイント>

   ①一定の保険期間内に被保険者が死亡した場合にだけ死亡保険金を受け取ることができます。

   ②途中で解約した時に受け取ることができる解約返戻金や、保険期間満期時に生存していた場合に

    受け取ることができる満期保険金はありません。

   ③上記①②の性質のため支払う保険料は掛け捨てになり、基本的に貯蓄の機能はありませんが、

    その分だけ支払う保険料は割安となっています。

 

(3)定期付養老保険

 定期付養老保険とは、養老保険をベースに定期保険の特約をプラスした生命保険をいいます。

定期特約部分が掛け捨て、養老部分が貯蓄となるイメージになります。

<定期付養老保険のポイント>

   ①保険期間は一定で、その間に死亡した場合、死亡保険金を受け取れます。 

   ②生存して満期を迎えると、養老保険部分から満期保険金を受け取れます。

 

(4)長期平準定期保険

 長期平準定期保険とは、定期保険の中でも特に長期の保険期間を設定する生命保険をいいます。

<長期平準定期保険のポイント>

   ①加入期間中は保障額が一定であり、95歳満期や100歳満期など保険期間が非常に長いです。

   ②長期間にわたり高水準の解約返戻金となり、加入後長期間経過で100%に近い解約返戻率になります。

   ③上記②の性質のため、主に死亡退職金・生存退職金・退職慰労金などに活用されます。

 

2.全額損金タイプの法人保険

 全額損金タイプの法人保険商品が生保各社での発売が増えてきました。特に、昨年4月に発売された全額損金タイプの傷害保障重点期間設定型長期定期保険が話題になりましたが、こちらは万が一の事態に備え、死亡保険金を事業保障や事業承継資金などの財源として活用でき、傷害以外を原因とする死亡保険金を抑制することで支払保険料を割安にしている点が特徴的です。

<傷害保障重点期間設定型長期定期保険のメリット>

   ◆支払った保険料が全額損金(経費)として計上できます。

   ◆解約返戻金を役員への退職慰労金などに活用することで、

    課税所得を抑えることができます。

    (→単なる利益の繰り延べではなく、節税効果があります)

   ◆法人税などを支払った場合と比べた「実質返戻率」は

    加入期間10年で120%程度になります。

 このほか、以前から存在する生活障害保障型定期保険についても全額損金タイプの保険の代表格です。

 こちらは経営者が病気・事故などで要介護状態となってしまった場合に保険金が支払われる保険です。つまり、経営者が死亡しないまでも介護状態となり、会社を離れなければならなくなった場合でも、一定の資金を確保するための保険です。注意点としては、受け取った解約返戻金は全額益金(収益)計上されてしまうので、単なる利益の繰り延べとしないためには、解約時点において対策が必要になってきます。