★今月のトピックス!~ローカルベンチマーク~
1.ローカルベンチマークとは?
ローカルベンチマーク(以下:ロカベン)とは、経営者や金融機関等が、「会社の健康診断を行う
ツール(道具)」として2016年3月に経済産業省が策定した無料の診断ツールです。
具体的には、「財務情報」(6つの指標)と「非財務情報」(4つの視点)に関する各データをツール
に入力することで、企業の経営状態を把握しようとするものです。
そこで、今回は「財務情報」の6つの指標を中心にご説明致します。
2.対象となる法人は?
『ロカベン』の分析対象となる法人は、上場企業及び従業員20名以下の製造業、従業員5名以下
の商業サービス業などの小規模事業者は除かれています。
3.「財務情報」の6つの指標とは?
財務情報の6つの指標は以下の通りです。無料のエクセルシートに必要な情報を入力すると、6つ
の指標が計算され、総合評価点が計算されます。また、帝国データバンクのデータを基に、業界平均
との乖離も把握する事が出来ます。
◎6つの指標
1)売上持続性・・・売上増加率(売上高/前年度売上高)-1
2)収 益 性 ・・・営業利益率(営業利益/売上高)
3)生 産 性・・・ 労働生産性(営業利益/従業員数)
4)健 全 性・・・ EBITDA有利子負債倍率(借入金-現預金)/(営業利益+減価償却費))
5)効 率 性・・・ 営業運転資本回転期間(売上債権+棚卸資産-買入債務)/月商
6)安 全 性・・・ 自己資本比率(純資産/総資産)
具体的には、以下のような財務分析結果シートが作成されます。
※クリックすると画像を拡大できます。
4.非財務情報の4つの視点とは?
非財務情報の4つの視点は以下のとおりです。上記3の財務情報は、決算書をベースにした企業の
過去の姿を映すものであり、企業の現在の姿を十分に把握し、将来に向けた可能性を評価することは
難しいです。そこで、企業の強み・弱みや課題等を把握する為に、非財務情報が重要になってきます。
また、非財務情報の分析は、上記3の財務数値の裏付けにもなります。特に、財務数値から情報を
得にくい小規模の企業にとっては、このような「決算書に表れない資産」を評価することがより重要
になってきます。
◎4つの視点
1)経営者への着目
2)事業への着目
3)企業を取り巻く環境・関係者への着目
4)内部管理体制への着目
こちらも、経済産業省からヒアリングシートが提供されており、4つの非財務情報について、具体的に記載することで、総括として、現状認識と将来目標を明らかにし、課題と対応策を明らかにすることができるようになっています。
以上、「ロカベン」について、簡単にご説明してきました。文章では中々理解難しい部分も多いか
と存じますが、「ロカベン」の意義にも『まずは使ってみること』が大切とあります。とくに上記3
の財務情報は、簡単に算出することが出来ますので、ご興味のある方は、是非お気軽に会計担当者に
お声掛け下さい。