建設業許可申請手引きを読んでみよう~第4回~

前回に引き続き、建設業許可申請に必要な要件についてご紹介していきたいと思います。

おさらいになりますが、建設業許可を申請する為には以下の要件を満たす必要があります。

 

建設業許可申請に必要な要件

イ「営業所の要件」

―――以下は東京都知事許可を受けるための要件として―――

ロ「経営業務の管理を適正に行うに足りる能力」に関する要件

ハ「専任技術者」に関する要件

ニ「財産的基礎等」に関する要件

ホ「誠実性」に関する要件

ヘ「欠格要件等」について

ト「社会保険への加入」に関する要件

 

今回ご紹介するのはハ「専任技術者」に関する要件です。

こちらについては、要件の中身と確認書類をそれぞれ別々にご説明します。

まずは要件の中身についてご紹介したいと思います。

 

ハ「専任技術者」に関する要件

 1.専任技術者登録に必要な要件

  建設業許可を受けようとする事業者は、各営業所に専任技術者を置かなくてはなりません。

  以下は要件の全てではありませんが、代表的なものは次の3点になります。

  まずはこれらのいずれかを満たしているか否かで専任技術者の要件を満たすかどうかをご判断下さい。

  (1)建築施工管理技士など、一定の資格を持っていること

  (2)指定学科卒業後一定年数以上の実務経験を積んでいること

  (3)10年以上の実務経験を積んでいること(学歴・資格の有無は問いません)

 (1)については、資格を持っていることで要件を満たすというシンプルな要件になります。

 資格には様々な種類がございますが、資格ごとにどの業種において専任技術者登録が出来るのかは決まっています。

 例えば、「二級土木施工管理技士(種別:土木)」の資格を持っている場合、専任技術者登録可能な業種は

  • 土木一式工事
  • とび・土工・コンクリート工事
  • 石工事
  • 鋼構造物工事
  • 舗装工事
  • しゅんせつ工事
  • 水道施設工事
  • 解体工事

 の8業種となります。

 それぞれの資格がどの業種に対応しているのかは手引きに掲載されている一覧表をご覧いただきたいのですが、〇印は一般

 のみ、◎印は特定・一般のいずれでも専任技術者の要件を満たすことを表しています。

 

(1)の要件を満たしていない場合には、「実務経験」を含む要件を満たしているかどうかを検討する必要があります。

まずは当該従業員の学歴を確認します。

高校あるいは大学において「土木科・建築科」などの指定学科を卒業されている場合には、卒業後一定年数以上の実務経験を

積んでいれば(2)の要件を満たすことが出来ます。

 

実務経験とは、実際に建設工事の施工に携わった経験をいいます。建設会社に10年以上勤務していたとしても、事務仕事を行

っていただけでは実務経験にはカウントされませんのでご注意下さい。

同様に、工事現場の交通整理といった雑務を担当していた場合にも実務経験にはカウントされません。

 

一定年数とは、具体的に以下の通りです。

 

高  等  学   校

全日制、定時制、通信制

指定学科卒業+実務経験5年

大 学・短 期 大 学

学部、専攻科

指定学科卒業+実務経験3年

高 等 専 門 学 校

学部、専攻科

同上

 

先程の資格と同様に、こちらも指定学科を認定できる業種が限定されていますので、ご自身が卒業された学科でどの業種に申

請可能なのかは手引きに記載されている一覧表をご確認下さい。

例えば、「建築科」の高校を卒業されている場合、5年以上の実務経験があれば「土木工事・電気工事・舗装工事・しゅんせつ

工事・電気通信工事・さく井工事」以外の23業種全てで専任技術者登録をすることが可能となります。

 

申請時点において資格を持っていない場合で指定学科以外(普通科など)を卒業されている場合(=上記(1)(2)いずれも

満たさない場合)には、(3)実務経験のみで要件を満たしているかどうかの判断をしていただくことになります。

 

具体的には、許可を受けようとする建設工事業種に関する10年以上の実務経験があれば専任技術者登録が可能となります。

また、実務経験で2業種の申請を行う場合には業種ごとに10年以上の経験が必要になります。

 

 2.その他注意事項

  ①同一営業所において、複数の業種の許可を申請する場合があると思います。

   その場合において、各業種の基準を1人で全て満たしている場合には、その方が1人で当該業種の専任技術者を兼任する

   ことが出来ます。

   ※なお、同一業種において複数の専任技術者を登録することは出来ません。

  ②同一営業所において専任技術者と常勤役員等の要件を全て満たしている人がいる場合には、1人で両方を兼任することが

   出来ます。

  ③専任技術者は「専任性」及び「常勤性」を有していなければなりません。

   「専任かつ常勤」ということは、他の建設会社の技術者や常勤役員になっている人はこの要件を満たしているとは言え

   ませんので、上述の資格を持っていたとしても専任技術者にはなれません。

 

いかがでしたでしょうか。

次回はハ「専任技術者」に関する要件(確認資料編)についてご紹介します。