~スタートの季節(2021年4月号)~

入社式や入学式、始業式…4月はスタートの季節です。 
でも、年度始めは新たな環境に身を置くことへの期待と同時に、緊張や不安などを抱えている人が多い時季でもありますね。
体や心はこれまでとは違う緊張状態となり、異なる環境が、知らず知らずのうちにストレスに…。
こうした要因が「春うつ」を引き起こすといわれています。
そこで、春特有の「うつ」のメカニズムを知って、張り切りすぎず、頑張りすぎず、新生活を楽しみましょう!

「春うつ」の原因とは?
「うつ病」は心の病であることから、まだ判明していないことが多い病気ですが、脳の神経の情報を伝達する物質(神経伝達物質)の量が減るなど、脳のエネルギーが著しく欠乏した状態であるといわれています。
環境の変化からくるストレスや体の不調など、さまざまな要因が重なることで発症しますが、新生活が始まる春は、ストレスを抱えやすく、まさにうつ病を引き起こしやすい季節。
また、春は出会いの季節であると同時に別れの季節でもあり、慣れ親しんだものとの別れからくる悲哀感や虚無感から、自律神経のバランスを崩しやすいのです。
さらに、3~4月は季節の変わり目で寒暖差が激しいため、その季節の変化に体がうまくついていけず、体調を崩しやすいことも「春うつ」の原因としてあげられます。

「春うつ」を防ぐ、3つの心構え
うつ病の治療では【セロトニン・ドーパミン・ノルアドレナリン】という3種類の神経伝達物質が重要視されています。
これら3大神経伝達物質がバランスよく働くことにより、脳の機能は健全に保たれます。その分泌量を高めるために、普段の生活から気をつけたい3つの心構えをお教えします。
①食事をおろそかにしない!
3大神経伝達物質の元となるのはアミノ酸です。アミノ酸はタンパク質が分解されて作られるので、質の高いたんぱく質を摂ることが重要。うつ病予防に効果的なその他の栄養素とあわせて、具体的な食材をご紹介します。
タンパク質…肉、魚、卵、大豆製品、乳製品など
ビタミンB…レバー、カツオ、マグロ、卵、貝類、納豆、バナナ、緑黄色野菜など
ミネラル…レバー、赤身の肉、魚介類、海藻、青菜類、納豆など
脂肪酸…鯖、鰯など青背の魚
朝食を抜くと、脳のエネルギーが不足します。1日3回、決まった時間に栄養バランスの良い食事を摂ることが大切です。
②早寝早起きを心がける!
睡眠不足は、イライラや気分の落ち込みなど、精神面に影響を及ぼします。夜間のスマートフォンの使用は、体内時計をくるわせ自立神経の乱れを引き起こします。なかなか眠につけない…とお悩みの方は、まずは朝日を浴びてみましょう!20~30分くらい朝日を浴びることで、体内時計がリセットされますよ。
頑張りすぎない!
「春うつ」を防ぐために最も大切なことは、頑張りすぎないことです。
4月は「スタートだ!」といつも以上に張り切って、気づかないうちに疲れを溜め込んでしまうことも多いようです。あまり気構えず、いつもと変わらない生活を心がけましょう。会社や学校で頑張り過ぎた日は、おうちでリラックスして過ごしてくださいね。