~消費税率引き上げに伴う変更契約書の印紙の取扱い~

2019年10月1日より消費税率が10%に引き上げられます。消費税率の引き上げに伴い締結している契約書について、新たに契約書を締結しなおす、または、変更部分についてのみ変更契約書や覚書を交わす場合があると思います。その場合の印紙の取り扱いについて工事請負契約書を事例として今回はご紹介したいと思います。

なお、印紙税については2017年7月~12月号にて入門シリーズ(☆ホームページ掲載中☆)として別途ご紹介していますので、そちらも併せてご参照下さい。

1.事例

A社がB建設会社との間で既に締結していた工事請負契約書について2019年10月1日より消費税率が8%から10%に引き上げられることから、契約金額について、次のとおりに変更契約書を作成することにします。

その場合には、収入印紙の貼付は必要になるでしょうか?

請負契約変更契約書

 

 2019年7月10日付にて契約した建設工事に係る契約金額について、消費税率の引き上げに伴い、次のとおり契約事項を一部変更することを約定する。

         変更前の契約金額  10,800,000円(内消費税等の金額800,000円)

         変更後の契約金額  11,000,000円(内消費税等の金額1,000,000円)

令和1年10月1日

                   A社     ㊞

                   B建設会社  ㊞

2.回答

200円の収入印紙の貼付が必要です。

3.取り扱い

(1)課税文書の判定

印紙税は作成した課税文書が、どの号に該当するかで印紙税の金額が決まってきます。

また、変更契約書の場合には、その変更内容が印紙税法上の各号ごとに定められている重要な事項の変更に当たるかどうかで印紙税法上の契約書であるかを判定します。

今回の事例により作成する変更契約書は第2号文書の工事請負契約書の『契約金額』の変更であり、『契約金額』は第2号文書の重要な事項に該当することから、課税文書に該当する契約書となります。

(2)記載金額の判定

印紙税は課税文書の記載金額に応じて印紙税額を計算します。また、該当する号に応じて、記載金額についての取り扱いが決まっています。

今回の事例の第2号文書では、消費税額が区分して記載されている場合には、消費税相当額は記載金額としないことになっています。そのため消費税額が区分記載されており、かつ、消費税額のみの変更であることから、記載金額の記載がないものとして取り扱われます。

第2号文書の場合、記載金額がないものは上記2.回答で示したとおり200円の印紙を貼付することになります。

(3)別の事例紹介

①消費税額を区分記載しなかった場合

今回の事例で消費税を区分記載しなかった場合にはどうなるのでしょうか?

その場合には消費税額を含めた金額にて記載金額を判定することになります。変更前後の金額を記載している場合には、増額分だけを記載金額とすることから差額の200,000円を記載金額として印紙税額を計算し、200円となります。

②契約金額が僅少の場合

第2号文章の場合には記載金額が10,000円未満の場合には、非課税となります。

例えば、次のような場合には、非課税となります。

 変更前の契約金額 324,000円

 変更後の契約金額 330,000円

増額分の6,000円が記載金額となり、10,000円未満であることから印紙税は非課税となります。なお、消費税を区分記載している場合でも、消費税の増額分が6,000円<10,000円であることから、同様に非課税となります。