~線香花火~(2018年8月号)

例年7月は毎週末、8月はほぼ毎日、全国各地の何処かで花火大会が開催されます。夏の風物詩として夜空に華やかに咲く大輪も魅力的ですが、今回は情緒溢れるその燃える姿から「牡丹」と呼ばれる、小さく、儚くとも美しい線香花火についてです。

◆人の一生を表す起承転結の物語
燃え方の変化ごとに美しい名前が付けられています。
「蕾」… 点火とともに、空気を吸い込みながら火の玉がどんどん大きくなって行きます。まるで命が宿ったかの様です。
「牡丹」… 先端に玉が出来る状態から、パチッ、パチッと力強い火花が散り出し、夢や希望に満ち活力みながる青春時代の様だと言われています。
「松葉」… 勢いを増し、玉が激しく火花を咲かす状態。まさに人生花開く、結婚や出産、子供の成長などの幸せな出来事が、この美しい火のアーチと重なります。
(この次の、一番静かに火花を出す落ち着いた状態を「柳」とも言うらしいです。)
「散り菊」… 火花が一本、また一本と落ち、玉が消え落ちる直前の静かな状況は、静かに余生を送る晩年を表す様でもあり、赤から黄に変わった火の玉が落ちる、もしくは光を失った瞬間、線香花火の一生は幕を閉じます。

◆少しでも長い時間楽しむ為には
<出来れば純国産のものを>
スーパーでよく見かける安価なものは輸入品で、国産のものは1%にも満たず高級なものですが、原料をじっくり熟成する等、職人がとことん拘った質の良い素材で作られており、途中で火の玉が落ちることなく最後まで綺麗な火花を放ち続けます。時間ですと1.5倍近く長く持つ物もあるそう!

<持ち方は45度!>
「長手牡丹」(主に東日本)… カラフルな和紙で火薬を包んである、よく見かける一番スタンダードなもの
 → こよりを持って火の点いた方を45度下に垂らす。
「スボ手牡丹」(主に西日本)… 軸(持ち手)にワラ、火薬にニカワを混ぜたものを使用したマッチ棒のような形のもの → 火の点いた側を上に斜め45度程度の角度で持つ。
こうすると玉が落ちにくく、火花が大きくなるそうです。

最近はアパレルや雑貨店でも取扱っており、ちょっとした贈り物にも喜ばれそうですね。
夏の夜、線香花火の燃え方や音の変化に想いを馳せてみたり、東西の花火の違いを楽しんでみたり、300年続く日本の伝統美・職人の技を感じてみたり…そんな「和」で「粋」なひと時を過ごし、涼んでみませんか?