~第3回 印紙税の計算の基礎となる金額について~(2017年9月号)

第3回目の今回は、印紙税の計算の基礎となる金額(=課税標準)について見ていきたいと思います。

 

1.印紙税の課税標準

印紙税の課税標準は、課税対象となる契約書の契約金額や受益証券等の券面金額に応じて定められて

います。主なものは以下の通りです。

 

課税物件課税標準非課税物件
不動産売買契約書契約金額記載契約金額が1万円未満
請負に関する契約書契約金額記載契約金額が1万円未満
約束手形・為替手形手形金額手形金額が10万円未満or金額記載無or複本
株券・出資証券券面金額日本銀行その他特定の法人が作成する出資証券

 

 

2.印紙税の課税標準と消費税

印紙税の税額については、原則として課税標準の消費税の税込金額にて判定しますが、課税文書において税抜金額が明示されている場合には、税抜金額にて判定を行います。

 

 

<不動産売買契約書に係る印紙税額表(一部抜粋)>

課税標準(=不動産売買契約書の記載契約金額)税額(本則)税額(軽減税率)※
100万円超500万円以下2,000円1,000円
500万円超1,000万円以下10,000円5,000円

※H30年3月31日までに作成される不動産売買契約書に係る印紙税は、軽減税率が導入されています

 

上記表にあてはめると、513万円(税込)で建物の売買が行われた場合、不動産売買契約書に貼らなければいけない印紙の金額は、原則として5,000円になりますが、譲渡金額513万円(税抜価格475万円、消費税額等38万円)といったように税抜金額が明示されている場合には、475万円で判定するため、1,000円の印紙を貼ればよいことになります。